Billboard指標を始めとする推し活の基礎知識【坂道界隈向け】

この記事について

管理人(あのさか @anosaka_46)が今までに学んだり調べたりした推し活関連情報をまとめていく記事です。
X上でも頂いた質問に個別に回答しています。

ご質問はXで直接リプないしDM、もしくはこちらの記事にコメントを頂ければと思います。

大前提:推し活は自分のペースで、楽しく!

Billboardを始めとする各種指標を追ったり、数字に囚われすぎると推し疲れのようなものを感じる時があるかもしれません。
周りの人の熱量や、かけているお金と比べて「自分なんて…」と思うことも。
そんな時は一呼吸おいて、推しグループの好きなところだけ見るようにしましょう。

推し活は楽しく!自分に出来ることから、自分にできるペースでやるのが一番です。ということが大前提としてお伝えしたいことです。

前提:なぜBillboardチャート上位を狙いたいのか?

私見が混じります。

Billboard上位のメリット

いくつかメリットがあると思います。

  • 肩書きが付いて各種番組への露出が増やせる
    • 「ウィークリー1位の楽曲!」「●●週連続チャートイン!」みたいな宣伝に貢献できる
  • 「アジア版グラミー賞」の役割を担うことが期待されるMUSIC AWARDS JAPAN 2025 KYOTOへのノミネートへの貢献

なぜオリコンではなくBillboardなのか?

(私見です。自分の知見がまだ足りず、「どうしてBillboardで上位を狙いたいのか?」の解が確立していません。皆さんの意見を伺いたいです。)

チャートの信頼度

Billboard JAPANは複合指標を用いており(後述)、近年のストリーミングの盛り上がりを的確に反映した総合チャートとなっています。

一方、オリコンのランキング(合算シングルランキング)は2024年現在もCD売上中心のランキングであり、現在の音楽市場の人気度合いを正しく反映しているとは言い難いです。
オリコン合算ランキングの集計方法について

そのため、チャートの信頼度(実際の音楽人気の反映度合い)という意味ではBillboard JAPANの方が高いと言えます。

地上波での扱いは…Billboardは扱われているか?

ただ一方で、地上波歌番組などでBillboard Hot100が注目度高く扱われているか?と問われると…どうでしょう。ちょっと疑義が残ります。
オリコン/Billboardそれぞれの採用例があれば教えて下さい。

紅白はBillboardを参考にしている?

これはよく耳にするのですが、元ソースを確認できていません。

例えば「紅白は音楽の“いま”を反映? ビルボードジャパンチャートとヒットの仕組み」ではNHK加藤英明チーフプロデューサーの発言を引用して「ビルボードジャパンのチャート設計思想と同じ考えに基づき出場者の人選を行なっている」と述べていますが、引用元を確認すると「キャスティングを決めるときは、CDなどのフィジカルから配信、合算と複合的に指標を見ます。」と述べているだけで、それだけで言えばオリコンも配信・合算ランキングを提供しています

そもそもなぜ番組に出したい・賞を受賞して欲しいのか?

推しグループのファンを増やしたい・推しグループにもっと凄い光景を見せてあげたいという思いを持つファンが多いのではないでしょうか。

Billboardの概要

米国の音楽チャート「Billboard Hot 100」などを発表する音楽メディア。(Wikipedia

日本ではBillboard JAPAN(Wikipedia)が日本版の音楽チャートを発表しています。

ランキングはどこで見れる?

  • Hot100
    毎週水曜日に発表される週間チャートです。
    順位と獲得ポイントが確認できます。 直前の月曜〜日曜が対象期間です。
  • CHART Insight
    Hot100の指標ごとのランキングが確認出来ます。
    例えば11/20発表のHot100のTOP5の楽曲と各指標のランキングは添付画像のように閲覧できます。
    (指標ごとにソート可能。ポイントはHot100でないと確認できない)
  • Artist 100
    Hot100とHot Albumsのポイントを合算し、アーティスト単位で集計したチャートです。
  • Billboard JAPAN Year End
    年間でのHot100 / Hot Albumsのポイントを一年間単位で集計したランキング。
    毎年12月始めに公開されます。集計日は前年12月最初の公開日〜11月最後の公開日まで。
    楽曲のリリース数が多いとポイントが高く出る傾向にあるため、単純な人気指標に用いるには適していません。
Billboard CHART Insight の様子

ランキングを構成する指標

以下の6つの指標が構成要素となります。(詳細は別項)

  • CDセールス
    • リアルストア、コンビニ、Eコマース全ての販売チャンネルの9割以上をカバーするパッケージ実売データをもとにした全国推定売上枚数
  • ダウンロード数
    • Amazon、iTunes、mora、mu-mo、レコチョクが対象
  • ストリーミング数
    • Amazon Music(Unlimitedおよびプライム会員向け音楽ストリーミング)、Apple Music、AWA、うたパス、HMVmusic、KKBOX、LINE MUSIC、Rakuten Music、TOWER RECORDS MUSIC、Spotify、dヒッツ、YouTube Musicが対象
  • 全国のFM/AMラジオ放送回数
    • 全国主要エリアAM/FM31局のラジオ放送回数
  • 国内においての動画再生回数
    • YouTube再生回数
  • カラオケで歌われた回数
    • 株式会社第一興商と株式会社エクシングが提供するカラオケ歌唱回数を元に独自のポイントを付与

以下の指標はCHART Inight上で項目があるものの、ランキングには影響しません

  • PCによるCD読取数(2022年12月7日廃止)
  • アーティスト&楽曲を両方ツイートした数(2022年12月7日廃止)
  • UGC

各指標の計測対象

300位までが計測対象(よくある質問

Billboard指標の詳細

CDセールス(CD)

Billboard 1Pt獲得するのに必要なCD数

売上枚数によって異なります。BillboardではCD売上偏重のチャートにならないよう一度に多量のCD売上が立った場合にはポイントを傾斜して配分しています。(アイドルの特典商法対策)

サンプル数が少ないため、下の表はあくまでおおよその規模感を掴むための数値と考えてください。

売上枚数ポイント
〜60,000枚13枚 / 1Pt
60,001枚〜100,000枚28枚 / 1Pt
100,001枚〜500,000枚400枚 / 1Pt
500,001枚〜264枚 / 1Pt

※〜60,000枚は恐らく近しい。
60,001枚〜100,000枚と100,001枚〜500,000枚はプロットによってばらつきがあるため、この区間で保持しているデータの最小枚数と最大枚数の2点から平均値として算出。
500,001枚〜は2024/7/3週のLOUD/INI と 自業自得/櫻坂46 のポイント・枚数差より算出した。

より高密度なプロットを取られているBillion Hits!さんの「日本音楽ヒットチャートのCD偏重問題 ~2023年以降の現状~」が参考になります。そちらによると10万枚〜50万枚は大きなポイント増加がなく(25万枚付近で微増)、50万枚以上で再度増加が始まる設計であることが伺えます。

総売上枚数は少なくても複数週合算時にポイントが高く出るケース

上記理由により、複数週に渡って売上が分散している楽曲は総売上枚数が少なくても総ポイントが高く出る場合があります。

例えば、同じ60万枚売上の楽曲があっても同一週に60万枚売上 VS 10週に渡って6万枚ずつ売上 では後者のほうがポイントが高くなります。

オリコンとBillboardで発表枚数が異なる理由

オリコンとBillboardのウィークリー発表タイミング

オリコン

  • 集計期間:毎週月曜日から日曜日まで
  • 発表日:毎週火曜日17時頃、前週の週間ランキングを発表
  • デイリー:毎日午後6時頃発表

Billboard JAPAN

  • 集計期間:毎週月曜日0時0分から日曜日23時59分まで
  • 発表日:毎週月曜日に前週の5位までの枚数を公表(チャートは毎週水曜日14時頃公開)
  • 先ヨミ:月曜(フラゲ分含む)から水曜分の売上を木曜日に発表
  • 先ヨミ速報:月曜(フラゲ分含む)から火曜分でハーフミリオンを超えた場合水曜日に速報を発表

ダウンロード(DL)

Billboard 1Pt獲得するのに必要なDL数

約8.3回になります。下記グラフ参照。
※2024年6月頃から2024年11月頃にかけて、DL数と獲得ポイントがわかる楽曲について一部プロットしたもの
なお、ここで言う「8.3回」はBillboardが集計した数になります。例えば、同一サイトで同一人物が複数回DLしたとしても、Billboard側が集計時に「1回」として集計する場合があります。

ストリーミング(ST)

配信サービス毎の仕様

各配信サービスとも、単曲を連続で再生しても再生回数としてカウントされない、と言われています。
(LINE MUSICを除く)
反映のためには、対象の楽曲の間に数曲(2~3曲)挟むことが推奨されます。プレイリストを作ることで簡単に実現できます。

Spotifyについて

2つの再生回数が存在します。

  • Filtered Streams
    • 各チャートで使用される
    • 一日あたり上限20回までしか反映されない、と言われている
    • 楽曲の最後まで再生が必要、と言われている
  • Unfiltered Streams
    • Spotifyの画面上で表示される再生回数
    • 30秒でカウントされる
    • 上限はない

LINE MUSICについて

30秒で再生回数としてカウントされ、単曲をループしても再生回数が積み上がる仕様です。(2024年11月現在)

あまりに突出した再生回数になると、Billboardに集計される際にポイント反映が調整(減少)されます。
※調整されてなお1再生あたりのポイント効率は高い
※例えば、LINE MUSIC で再生数が多いユーザにプレゼントをする企画が行われている、など

上記調整は週単位で行われます。
※櫻坂46 IWTCでは、された週とされなかった週があると推察されている

全国のFM/AMラジオ放送(ラジオ)

対象のラジオ局

国内においての動画再生(MV)

Billboard 1Pt獲得するのに必要なMV再生回数

約3000〜3300回程度となります。表参照。
※櫻坂46 10th IWTCのMVにおいて、確認できたYoutubeの再生回数とBillboard獲得ポイントを並べて1Ptあたりの再生回数を算出

週によってばらつきがありますが、概算で3000〜3300回程度の再生回数が必要そうと言えます。
※初週に必要数が大きくなったのは要検討。”正常な”再生回数と見られなかった分が補正された可能性?

Billboardの対象となるMV

公式がアップロードしているMV / 公式側がISRCを付与している動画に限ります。(【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 より)

例えば櫻坂46で言えば、Dance Practiceも再生回数に計上されることが確認されています。

その他情報

バックグラウンド再生の場合は、オーディオストリーミングとして計上されます。

YouTube Music Premium会員の方が無料会員の再生より比重が高くなります。

広告による再生回数分はBillboardでは集計対象外となります。

カラオケで歌われた回数(カラオケ)

どのくらい歌うとポイントになるか

具体的な回数などは不明ですが、CHART insightでカラオケランキングを表示すると上位100曲に来るのは広く歌われる人気曲であることがわかります。(2024/11/11〜17週100位がLove so sweet / 嵐 などのレベル)

また、ポイントで言うと 2024/7/3週のBling-Bang-Bang-Born / Creepy Nutsが3位で630ポイント、2024/7/10週の夢幻 / MY FIRST STORY × HYDEが80位で110ポイントと、ランク入りしても大きなポイントがつかないことがわかります。

そのため、ファンダムの努力でなんとかするのはかなり難しく、ほとんどないものとして見てよいかと思います。

推しリクについて

以下情報はトモさんが詳細にまとめてくださったものを見出しをつけて再構成したものです。

概要

「USEN 推し活リクエスト」とは、株式会社USENが提供する音楽のリクエスト投票サービスです。
投票締め切りは毎週水曜日18時で、リクエスト投票上位楽曲は、USENサービスにて全国の街中や店内BGMで放送されます。(公式サイト説明文より

放送回数

・ウィークリー1位〜20位までは順位問わず8回/日
・ウィークリー21位〜55位まではランダムで選曲(※平均7回/日、20位までと大差なし)

ランキング

  • ウィークリー
    毎週水曜日18時にリセットされる
  • デイリー
    毎日18時から24時間のリクエスト数のランキング
  • リアルタイム
    ウィークリーに対するリアルタイムのランキング(ウィークリー最終日終了時点のリアルタイムがそのままウィークリーのランキングに反映される)

放送の切り替え

毎週土曜日に直前のウィークリーランキングを反映した選曲リストに更新

チャンネルを採用している店舗

  • DAISO
    (2024年10月30日より、推しリクランキングと季節に合わせた楽曲を組み合わせたオリジナル番組として放送)
  • 松屋

Stationhead(ステへ)について

Stationheadの概要

ユーザーが自ら「ホスト」となって音楽配信を行えるプラットフォームです。
ホストがプレイリストを編成し「番組」を作成、リスナー全員が同時に同じ音楽を聴くことが出来ます。(通常のラジオのように音声を載せることも出来ます)
リスナーはリアルタイムでチャットに参加し、音楽を聴きながらコミュニケーションをとることが可能です。
接続のためにはSpotify / Apple musicの有料アカウントが必要になります。

ファンダムチャンネルとシンジケーション

  • ファンダムチャンネルとは?
    特定のアーティストやグループを応援するコミュニティ的なチャンネルです。
    (櫻坂46:Buddies 、日向坂46:おひさま
  • シンジケーションとは?
    自分のアカウントを特定のファンダムチャンネルに紐づけることを指します。ファンダムのバッジが表示されるようになる他、自身の番組上で再生した楽曲の再生数がファンダムチャンネルに累積される、自身の番組終了時にリスナーがファンダムチャンネルに自動転送されるといったメリットがあります。
  • 申請方法:
    Join Channelフォームからリクエスト可能です。
  • ファンダムチャンネルの作成:
    ファンダムとして公式に認められるにはリクエストが必要です( Request Channelフォーム )。
    人気アーティストは複数のファンダムチャンネルが存在することもあります。審査は厳しめと言われており、ファンダムチャンネルになることで公式性や信用度が増し、リスナーを惹きつけやすくなります。

なぜ指標に効くのか

各ユーザーのアカウントで楽曲を再生した扱いになるので、ストリーミングの再生回数としてカウントされます。
(Spotifyの再生回数上限制約は残ります)

ファンダムチャンネルに接続しておけば配信主側で選曲して自動で楽曲が再生されるため、手間をかけることなくストリーミング指標に貢献することが可能です。(詳細は後述)

使い方

Spotify、またはApple musicの有料アカウントを用意し、stationheadアカウントと連携する。
※有料アカウントの無料お試し期間であれば利用可能です。無料会員は利用不可です。

stationheadの対象チャンネルに入れば、以降操作不要です。
※時折接続が切れることがあるので、定期的に確認した方が良い

自分で”回す”こととの差は?

pros

  • プレイリストを作成する必要がない(配信主が用意してくれる)
  • バックグラウンド再生が可能で他の再生アプリも動かせる(単位時間あたりのストリーミング数を増やせる)
  • デバイス側でミュートしてもカウントされる
  • 他のファンとチャットで交流できる
  • 同時接続数が増えればstationhead画面で上位に表示される&公式がストパ(ストリーミングパーティー。ファンが同時に音楽を聴くイベント)を開催してくれるかも。

cons

  • 接続しっぱなしだと途切れていることがある(特に最近)
  • 好きな曲を好きなタイミングで聴けない
  • PCブラウザでステへに接続している場合、モバイルで接続してもPC側に権限を持っていかれる

その他Q&A

  • 再生回数をカウントするにはホストをフォローする必要がある?
    →しなくてもカウントされる(ユニバーサルQAより

その他の情報

InstagramやTikTokで楽曲利用するとどうなるか?

Billboard Hot100ではこれらの指標を採用していないため影響はありません。

かつてはTikTok Weekly Top 20というチャートが存在(2024年11月27日週で廃止)していました。
現在はチャート急上昇ソングによる【Hot Shot Songs】がありますが、こちらはダウンロード・ストリーミング・動画の合計ポイントが前週より増加したかを見るためInstagram / TikTokの直接の影響はありません。

ただし、TikTokでバズった楽曲が年間チャートにチャートインするほどストリーミングで再生されるケースもある(分析記事)ため、バズれば大きな影響を持つ可能性が高いと言えそうです。

シングル発売週以外で頑張るメリット

BillboardはBillboard JAPAN Year Endという年間チャートを発表しています。
年間総合ポイントで算出されるので、発売週以外でもこまめにポイントを稼いでいくことで年間チャートに貢献できます。

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